【推薦図書】「孫のトリセツ」(黒川伊保子著)
2025.08.15 04:30
【推薦者】全国労働金庫協会相談役・西村良隆 氏
つりはとっときな
孫と会うたびに、ジュース代としていつも500円玉をわたす祖父。亡くなった後に、机の中からは大量の500円玉……。おまけ付きを喜ぶ孫の笑顔を見たい、粋な計らいのエピソードが印象に残ります。2024年他界した私の父も、子どもや孫のために決して労を惜しむことのない人でした。私は、孫たちの予測できない自由気ままな行動に振り回される時を楽しみながら今を過ごしています。
来たるべきAI(人工知能)時代。孫たちには、他者の期待に応える模範生(いい子)であるという柵から解放されて、人間くさく自らの思いにできる限り忠実に生きてほしいと願います。本書では、他者承認は一時的に脳の快楽物質を分泌させるが、他者の評価が変われば揺らいでしまう、真の自己肯定感とは関係がないと記します。
「いいね」の数だけがすべてじゃない。「自己肯定感」は「自分の脳」に対する信頼であり、他者からではなく、自らの経験、成功体験から得られるもの。例えば、孫の「質問」攻撃を成長の過程として楽しみ、温かく受け止める。見守る者のおおらかな心の余裕が、好奇心や集中力を育みます。
多忙な孫親(孫の親世代)の「自分時間」の確保に一役買うことも大切。孫・孫親との関係のみならず、若い方々との接し方のヒントをもらえる一冊です。
(扶桑社 税込み990円)
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