フラット35不正で被害者同盟 不動産投資誘われ返済難 

2022.02.02 20:41
事件・不祥事
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記者会見する被害者同盟と弁護団(2月2日、国土交通省)
記者会見する被害者同盟と弁護団(2月2日、国土交通省)

長期固定金利住宅ローン「フラット35」の不正利用によって投資用不動産を購入させられたとして、融資の返済に苦しむ物件オーナーと弁護士らが被害者同盟、被害者弁護団をそれぞれ結成した。両団体は2月2日、東京都内で記者会見を開き、救済を求めていく考えを示した。


フラット35は、住宅金融支援機構が居住用住宅の取得を対象に提供している。だが2018年秋頃、不動産販売業者が顧客に投資用物件の購入費用を居住用と偽り申し込ませていた疑いが浮上。同機構は19年に実態調査を実施した結果、不正事案162件が判明し、債務者に対して残債の一括返済を求めた。


これに対し、被害者同盟は調査の対象が一部にとどまり実態解明が不十分と主張。業者による相場とかけ離れた物件価格のつり上げや、投資用物件の購入を黙認するかのようなローン審査があったにもかかわらず、債務者のみ責任を問われ、同機構からの一括債務返済請求に苦しんでいるとする。


被害者同盟は20代、30代を中心に債務者15人で構成。平均の借入金額は約3500万円。販売業者やブローカーは別々だが、全員が業者側の主導で住宅ローン専門金融機関アルヒのフラット35を契約させられたという。契約時期は18年頃が多いが、調査結果公表後の20年以降もあり、同盟は「現在も被害が続いている」と訴える。同機構とアルヒは問題表面化後、不正防止策を強化するとしていた。


弁護団の団長には、THP(東京・千代田)の二森礼央弁護士が就いた。同機構とアルヒに対し、まずは任意交渉を求めていくという。具体的な要求内容には、一括返済請求と抵当権実行の停止や、アルヒが同機構から債権を買い戻したうえで、物件売却後の残債務を損害賠償請求と相殺することなどを挙げた。

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