6月の公募投信、純資産総額が過去最高更新 運用増加額の高水準続く

2025.07.11 17:15
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投信市場の動きを話す杉江副会長専務理事(7月11日、東証)
投信市場の動きを話す杉江副会長専務理事(7月11日、東証)

投資信託協会が7月11日に公表した6月の投信概況で、公募投信の純資産総額が254兆3247億円となり過去最高を更新したことが分かった。増加は2カ月連続で、前月から8兆7369億円増えた。内外株式市場の上昇を背景に運用増加額は8兆3752億円に上り、前月の11兆6059億円に続く高水準だったのが大きく寄与した。


6月は国内外の市場の上昇傾向が続いた。6月末の日経平均株価は4万円を突破し、前月末比6.6%上昇の4万487円。米国でも、トランプ関税で低調だった4月を底に上昇傾向が続き、ダウ工業株30種平均は4.3%高の4万4095ドル。株式市場の好況が後押しする形となった。


特に顕著な伸びを示したのが、上場公募投信(ETF)を除く公募株式投信だ。純資産総額が2カ月連続で増加し、146兆7004億円になった。運用増加額が5兆3831億円に上ったのに加え、5743億円の資金流入もあった。


一方、ETFを除く公募株式投信の月間設定額は2兆9456億円で、2カ月連続で3兆円を下回った。償還は2014年12月以来の1000億円超となる1115億円に上った。満期償還額が780億円のファンドが1本あったのが影響し、27本合計の償還額を押し上げた。その結果、設定額から解約・償還額を差し引いた資金増加額は5743億円となり、25年1月からの減少傾向が続いた。


商品別では、トランプ関税による不透明感を背景に、海外株式型ファンドの資金増加額が急減。半面、国内株式型の流出額は抑制され、国内株式型に資金が戻る兆しが見られた。野村アセットマネジメントが新規設定した日本株型ファンドが1500億円以上を集めたのも寄与したもようだ。会見した杉江潤副会長専務理事は「個別商品にはコメントしない」としつつ、「投資家の多様なニーズに応えるためにさまざまな商品が設定されることは望ましい」と述べた。

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