大手行、自治体の税公金取り扱い見直し ネットなど手段多様化で
2022.01.31 04:55
大手行は、自治体などの税金や公共料金などの窓口における収納業務を見直している。背景には収納業務の高コスト化や、インターネットバンキングなどによる取引手段の多様化がある。
三井住友銀行は、4月から全国178市町村の窓口での税公金の収納業務を終了する。大半は口座振替へ移行を促す。ただ15自治体では口座振替も止めて他行取り次ぎとなり、手数料が発生する。みずほ銀行は、窓口における税公金の収納業務を廃止する方向で「相談している事例もある」(みずほ銀)としている。三菱UFJ銀行は2021年4月以降に18都府県188市町村・6特別地方公共団体の税公金取り扱いを終了している。
三菱UFJ信託銀行は22年5月までに、37自治体などの税金や公共料金などの窓口における収納業務を終了。窓口業務を見直し、「全ての取引先と協議を開始しており、合意した先から順次終了する」(同行)。窓口での収納業務を終了するのは8都府県の自治体と水道局や公共料金など。同行の見直しは、口座振替やコンビニでの支払いなど利便性が高い手続きが浸透し、同行の窓口収納取り扱い件数は 減少している。
三井住友信託銀行は、21年4月~22年3月に窓口での税公金収納業務を40自治体で停止し、22年4月以降は23自治体で停止する。さらに折衝中が95自治体ある。21年度の40自治体と22年度以降の23自治体では、口座振替の取り扱いも停止する。
税公金収納業務を撤退している背景の一つに、NTT東日本・西日本が提供するISDN回線サービスが23年12月末に廃止となることもあげられる。