列島の止まり木 個人営業のトレンドは「円建て保険」

2025.06.20 06:00
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国内金利の上昇に伴って円建て保険の人気が高まっている。フコク生命の一時払い終身保険は返戻率141.3%を掲げるなど、好条件の商品が増加していることが背景にある。金融機関にとっては顧客ニーズに合致し、手数料収入も見込めることから、2025年度上期は円建て保険が個人営業のトレンドになっている。


中国地区金融機関のなかには、25年度から新たに円建て保険の専担者を配置するケースが出た。営業を強化した効果で、5000万円といった大口契約も獲得しているようだ。


一方で、少額投資非課税制度(NISA)の推進は停滞気味。24年度下期から全国的に地域金融機関の新NISA口座数の伸びは鈍化しており、足元では米トランプ関税の影響を見極めようとする心理も働き、1年前の勢いはない。保険商品は株式市場などの相場に比較的左右されないことから、新NISAを活用した運用商品の購入に慎重だった顧客層のニーズも喚起している。


ただ、新NISAもつみたて投資枠の利用は堅調に推移。金融機関が力を入れた資産運用の啓発活動が実を結んでいる。広島県内のある金融機関では、制度を最大限活用してもらうため、成長投資枠の商品ラインアップの見直しに着手。新NISAの利用拡大を促している。

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