ちょっと一言　WithTheWorld代表取締役社長・五十嵐駿太さん

世界の果てまで教育を、金融と海外展開支援へ

WithTheWorld（神戸市）は、オンライン国際交流を手がけるスタートアップで2018年4月に創業。67カ国・500校以上の教育機関と連携し、海外の授業をリアルタイムで受けることができるプログラムを日本の学校に提供。現在、小学校から大学、自治体など約200先が導入。世界で年間約2万人が受講する。24年度の年商は約1億7千万円。5月20～26日、大阪・関西万博の「リボーンチャレンジ」に出展中だ。

大学時代、世界で活躍する日本人に憧れ、海外各地を旅して貧困層の子供たちと接したことが原体験となっている。タイの孤児院で1週間過ごした後、「別れが悲しくてこっそり帰ろうとしたら見つかり、子供たちが寄ってきた。そして泣きながら『駿太の夢がかないますように』と祈ってくれた。そのピュアさに心打たれ、この子たちのためにも、世界の果てまで教育を届けたいと思うようになった」という。

大学卒業後は人材会社に就職し、兵庫県で営業や新規事業開発を経験。就職して3年後に退職、神戸市で起業した。当初は「1日100円の貧乏生活を送った」が、日本と海外の学校をリアルタイムでつなぎ、同世代の学生たちが社会問題や未来についてディスカッションする独特の教育プログラムは徐々に評価が高まる。コロナ禍で海外留学や研修が中断されたことで一気に注目された。22年には池田泉州銀の「ニュービジネス助成金」の大賞を受賞。

今後は「世界の学校同士、学生同士が直接交流できるプラットフォームを構築するのが夢」。取引金融機関は池田泉州銀、姫路信金、日本公庫。

日本の企業の商品開発やマーケティングなどに海外の学生が協力するプログラムも手がけており、金融機関とは「海外展開に興味がある企業を紹介してもらい、連携して支援できたらうれしい」と意気込む。（大阪）