不祥事どう防ぐ 男性と女性で違う兆候
2025.05.03 04:10
今回は、みなさんからよくご質問を受ける不祥事の兆候を取り上げてみたいと思う。
さて、みなさんは不祥事の兆候というと、どんなことを思い浮かべるであろうか。よく言われるのが「生活が派手になる」「ブランドものの服やバッグなどを買い、身に着ける」といった意見である。では、実際にはどうであろうか。筆者のこれまでの分析・経験から、犯行前と犯行後ではその兆候は異なる。
不祥事実行以前の予兆としては、「会話のなかで競馬、競輪などのギャンブルの話題が出てくる」「よく風俗の話をしている」「会話のなかで『ストレスの発散が買い物』『休日はショッピング』といった話が出てくる」などが挙げられる。また、最近では「オンラインゲーム(オンラインカジノ)」「FX取引」といった言葉を耳にしたら不祥事の可能性がある兆候として注意すべきであろう。
不祥事実行後の兆候としては、男性と女性で異なった兆候を捉えることができる。
男性の場合は、まずは国産車から国産車の高級車や外国の高級車に乗り換えているケースが多い。次に、ゴルフクラブを買い替えたりしているケースや、自分の趣味に横領金を使っているケースも多くなってきている。
女性の場合は、その多くが横領したお金で「美」に関するものを購入している。具体的には、健康グッズ、化粧品エステ・マッサージなどである。その次にいわゆるブランドものの服やバッグである。
また、女性特有の行動として、購入したものを使用するといったことではなく、あくまで買い物そのもの、つまり買い物をすること自体が目的のケースが多い。過去には、ブランドの服を大量に購入しておきながら、実際にはたんすに買ったまま入れていたといった事例もあった。
また、仕事上での変化を捉えることもできる。
それまで家計の赤字・多重債務に伴う資金調達で精いっぱいであった生活からお金に苦労しなくてもよくなれば私生活だけでなく、仕事上でもその態度、行動に変化が起きてくる。
例えば、ストレスで常にイライラしていた人が金銭的(あくまで横領などをした犯罪のお金だが)余裕から、あまり怒らなくなったり、悪いことをしているので疑われないようにするため「いい人」を演じ始めたりることが多い。こうした点も兆候として捉えることができるであろう。
「勘」というものは馬鹿にならない。覚えておいてください。「何か違う」と思ったら、まずは誰かと話すことが不正防止に繋がることを。
金融監査コンプライアンス研究所代表取締役 宇佐美 豊
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