地域金融機関、来春も高卒採用積極化 高校と関係を強化
2025.05.05 04:50
地域金融機関で、高卒採用への関心が高まっている。採用の間口を広げることで人手不足を解消し、地元の雇用を創出する狙い。今後本格化する2026年度採用活動で、再開を検討する先もあり、高卒採用を実施する金融機関がさらに増えそうだ。
地域銀行・グループ(G)と預金量上位50信金(25年1月末)の計142機関に26年度の高卒採用計画を聞いたところ、7割を超える105機関が「継続実施する」と回答し、前年から増加した。業態別の内訳は、地域銀が73行・G、信金が32金庫。地域銀は全行・Gの約8割、信金は調査対象の約6割が実施予定で、両業態ともに積極的な姿勢が浮き彫りになった。
東北地区のある地域銀は、いったん廃止していた高卒採用の再開を検討する。従来は大卒採用で賄えていた人材が獲得しにくくなっており、採用担当者は「特に県外へ進学した女性のUターンが少なく、男女比率を同水準に保つことが困難になってきた」と嘆く。より多くの生徒に門戸を開き、応募者の増加を目指す。
円滑に高卒採用へ臨むには、地元高校からの認知度を高めることが重要。トマト銀行は高校教員に求人票を手渡して採用に意欲的な姿勢を説明している。前出の地域銀は、地元高校から依頼される金融教育の授業などを積極的に引き受けていくという。行員の講師派遣や講演会などに協力することで高校と関係を強化し、就職先としての銀行の魅力を伝えていく。
今春の新卒採用では、高卒採用人数が前年比で約1割増えた。増加傾向は2年連続。26年度も高卒採用の意欲が引き続き旺盛なことから、3年連続で増加となる可能性もある。
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