全信組連、クラファン活用促す 新規取引の端緒に
2025.04.12 04:35
全国信用協同組合連合会は、信用組合に対し、業界のクラウドファンディングサイト「MOTTAINAIみらい」の活用を促す。販路拡大など従来の利用に加え、「寄付型」により融資や返礼品の設定が難しい分野での資金調達を期待する。資金の受取口座の開設など、その後の取引につなげる「ドアノックツール」としての役割も見いだす。
以前は、同サイトでは支援に応じた返礼品を用意する「販売型」を扱っていた。2024年9月からは、返礼品が不要な寄付型クラファン「CAMPFIRE for Social Good」の取り扱いを開始。商品がないケースでも利用が可能で、被災した病院への支援などを想定している。全信組連の担当者は「医師や出版、公衆浴場といった業域・職域信組の取引先でも使いやすい」と話す。
寄付型クラファンは、社会課題の解決など、サービスへの需要よりも活動への賛同によって資金が集まるケースが多いという。同サイトでの第1号案件は、地震や24年8月の洪水で被害を受けたネパール・ターメ村の支援だった。登山家の野口健さんが代表を務める認定NPO法人ピーク・エイドが資金を募った。
同法人は山梨県富士河口湖町に拠点を起き、野口さんが代表を務める別団体の会員として都留信用組合(山梨県)が加盟していたことから、クラファンを機に同信組に寄付金を受け取る口座を開設。同信組も地元での周知活動に協力した。その結果、1カ月強で当初設定額の300万円を超える428万円が集まった。
信組の取引先である中小企業の事業とクラファンの相性が良いとして、全信組連は、さまざまな場面での活用を促していきたい考え。小規模事業者が、初めから大手EC(電子商取引)サイトに出品すると、生産能力を超える注文が殺到することもある。一方、クラファンは利用者の需要を把握できるなど、信組側も融資実行を判断する目安とすることが可能だ。
コロナ禍で利用が広がった時期と比べると現在は低調なことから、全信組連ではポスターやリーフレットを制作し、周知を図っている。
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