社名変更でシナジー 岡田・ドコモ・ファイナンス社長
2025.04.13 04:40
NTTドコモとの資本業務提携を経て、4月1日にオリックス・クレジットから社名変更した「ドコモ・ファイナンス」。ドコモグループの巨大な顧客基盤を武器に事業成長を目指す岡田靖社長(55)に今後の戦略を聞いた。
◇
――ドコモグループに加わった。
「弊社にとってベストな成長戦略と判断した。ローン事業は競争激化で顧客獲得に必要なコストが肥大し続けており、手詰まり感があった。今回、グループのブランド力が活用しやすくなり、約1億人の『dポイントクラブ会員』を擁するドコモ経済圏でマーケティングを本格化する。まずはキャリア系金融で先行する楽天グループと同規模を意識し、2027年度中にドコモのローン事業との2社合算の貸付残高を3000億円に引き上げる」
――具体的なシナジーは。
「ドコモが外部委託していた金融事業の事務業務を弊社に移管し、効率化およびコスト削減効果を出している。また9月をめどにドコモの提携店に加盟し、商品のポイント連携や会員のビッグデータ分析が可能になる。特定の顧客層に向けた商品設計など新しい戦略を打ち出す」
――AI(人工知能)活用は。
「グループの知見も借りながら業務効率化を加速させる。ドコモの取引情報を加味した与信モデルの開発なども協業していく。ただ現状は、あえて原因分析しやすいシンプルなモデルを採用しており、導入には議論を重ねたい」
――保証事業は。
「申し込みから回収まで一気通貫で担えるオペレーション力が弊社の強みで、これまでに250以上の金融機関と連携実績がある。全国の金融機関と強いネットワークを持つNTTコミュニケーションズなど、グループ連携で地域銀行への提案を強化していく」
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