中国地区金融機関トップの年頭所感
2022.01.04 17:212022年の仕事始めとなった1月4日、中国地区金融機関トップは年頭所感で、コロナ禍を克服し、地域経済再生に必要な取り組みを示した。
ひろぎんHD 部谷俊雄 社長 「ブランド確立へチャレンジし続ける年」
2020年10月の持ち株会社体制移行から1年が経過。22年は「地域総合サービスグループとしての企業ブランド確立に向け、チャレンジし続ける年」と位置づけ「剛毅果断(ごうきかだん)」をテーマに経営を進めていく。具体的には、「困難と思うことに積極的ににチャンレンジすること」「決めたことは熱い思いを持って実践すること」「コンプライアンスとFD(フィデューシャリーデューティー)の実践」の3点を挙げた。
山口FG 椋梨敬介 社長グループCEO 地域の豊かな未来を共創
2021年12月にパーパスを「地域の豊かな未来を共創する」とし、ビジョンを「地域に選ばれ、地域の信頼に応える地域価値向上企業グループ」と定めた。これを踏まえ「金融と地方創生の両面から地域の企業経営や事業活動を支え、新たな産業の創出、取引先企業の成長支援、多様な地域課題の解決に真摯に向き合い、貢献していく」とメッセージ。
トマト銀行 髙木晶悟 社長 「土砂降りの雨に傘」の姿勢貫く
「地域経済の活性化への貢献」と「サステナビリティへの取り組み」を挙げた。19年12月にアフガニスタンで銃撃を受けて亡くなった日本人医師・中村哲氏の言葉「100の診療所よりも1本の用水路」に触れ「何が本当に必要なのかを見極め、当社のビジネスモデルである本業支援、最適提案活動の進化を発揮する。『土砂降りの雨の時にも、しっかりと傘を差しだす』姿勢を貫く」とメッセージ。
広島信金 川上武 理事長 「自他共栄」の精神で役に立つ
最大の強みに「永年にわたり築き上げてきた取引先との信頼関係」を挙げた。「感謝の心を大切にし、『自他共栄』の精神でお客様のお役に立つ活動を続けていきたい」とした。「地域のなかで何ができるのか、役職員一人ひとりが真剣に考え全員の力を結集すれば、未来は明るく開けるものと確信している。謙虚な姿勢で、何事にも明るく前向きに取り組んでいこう」と伝えた。
広島市信組 山本明弘 理事長 継続が信頼を生む
新年のスローガンとして「継続は金(きん)なり」と掲げた。「預貸業務に特化した経営を続ける」と強調。「一つの行動をぶれずに継続することは、その行動への信頼を生む。信頼こそが、何とも比べることのできない最も価値が高いもの」とする。「他行が手数料ビジネスに走り、昼休憩の導入や店舗の統廃合を進め、信用保証協会付き融資ばかりでリスクを取らない今こそ、お客さまとの関係性づくりに力を注ぐビッグチャンス」とも訴えた。
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