中国地区の地銀や第二地銀が25年度入社式 新入社員「地域に貢献したい」
2025.04.01 20:22
中国地方の地方銀行や第二地方銀行が4月1日、各地で入社式を開いた。トップが今後の期待を語りかけた一方、新入社員は「地域社会に貢献したい」などと抱負を語った。新人は一定期間の集合研修を経て、営業店などに配属される。
広島銀、入行者は昨年比34人増
ひろぎんホールディングス(HD)は、グループの新入社員167人の入社式を広島市内の本社ビルで開いた。出席者の内訳は広島銀行135人、ひろぎん証券17人、ひろぎんリース6人、ひろぎんITソリューションズ9人。広島銀の入行者は2年連続で増加し、2024年度に比べ34人増えた。
冒頭、人事総務部が製作したオープニングムービーを上映して新入社員を歓迎した。ひろぎんHDの部谷俊雄社長は「夢や理想に向けてチャレンジしてほしい。明るく、楽しく、前向きに働いてほしい」と激励。広島銀の清宗一男頭取は「お客さまへ感謝の気持ちを常に忘れず、将来にわたりお客さまから必要とされ続ける銀行になろう」と呼びかけた。
広島市内の大手町支店に配属予定の奥道海斗さん(22歳、広島県出身)は、「大学入学で上京したが、地元に恩返しがしたくて(Uターンで)入行した。社会インフラの一つである金融業で、地域に寄り添って仕事がしたい」と語った。
山口FG、「勤務エリアを限定しない人」増加傾向に
山口フィナンシャルグループ(FG)は、大卒を中心に高卒も含めて計131人を新たに迎えた。人事担当者は「勤務エリアを限定しない人が増えている」と傾向を説明した。
椋梨敬介社長は「社員一人一人が不可能だと諦める心を打ち捨て、わずかでも可能性を信じて行動を起こすことが大切。それぞれの持ち場で頑張ることが、地域経済を変える大きな力となる。未来は山口FG社員の志と熱意で変えることができる」と強調した。

新入社員を代表し決意表明をした本田丈流さん(22歳、広島県出身)は「会社の戦力として一刻も早く貢献できるように、最大限の努力を重ねていきます」と力強く語った。
山陰合同銀、新頭取が「私も初日で緊張」と和ます
山陰合同銀行と島根銀行は、松江市内の本店でそれぞれ入行式を開催した。4月1日付で頭取に就任した山陰合同銀の吉川浩氏と、24年6月に島根銀頭取に就いた長岡一彦氏は、トップとして初の入行式に臨んだ。
山陰合同銀は78人が入行。吉川頭取は「初日を迎えて緊張していると思うが、私も頭取初日で緊張している」と新入行員を和ませた。そのうえで「経営理念を実現するために誠実であること、成長する意欲と情熱を持ち続けること、チームを大切にして明るく前向きであることを実践してほしい」と語った。

同行は2年前から夏のインターンシップを100人規模で開催。25年度入行者はその1期生にあたる。新入行員を代表して辞令を受けとった富田優斗さん(本店営業部)もその一人。インターンシップで「銀行各部の仕事を身近に感じられるようになった」ことが志望理由の一つという。森下あずささん(米子支店)は「大学で研究してきたウェルビーイングを実現する社会を作っていくため、地域にしっかりと貢献したい」と宣誓した。
島根銀、女子サッカー選手も採用
島根銀は15人が入行した。長岡頭取は「強い思いを持って、あらゆることにチャレンジしてほしい」と激励した。新入行員の金山祥大さん(本店営業部)は「仕事を覚えて、早く一人前の戦力なりたい。企業同士を結び付けるような仕事をしたい」と抱負を語った。

サッカー選手を初めて新卒採用した。出雲市のサッカー女子なでしこリーグ2部「ディオッサ出雲FC」の選手2人で、同行出雲支店がサポートしていたことがきっかけ。競技生活を支援しながら、社会人キャリアの構築も後押しする。秋田咲良さん(22歳、北海道出身)は「選手と行員をしっかりと両立したい」。尾添有紗さん(21歳、島根県出身)は「お客さまに寄り添ってニーズに応えたい。サッカーでは地域に活気を与えるプレーをしたい」とそれぞれ抱負を述べた。
ちゅうぎんフィナンシャルグループは、112人を迎えた。岡山市内の本店で開いた入行式で、加藤貞則社長は「グループの将来は皆さまの双肩にかかっている。若さというエネルギーを生かし、環境の変化を乗り越えながら明るい未来を切り開いてほしい」と訓示した。