静岡銀・山梨中央銀・八十二銀、地域の課題解決へ協業 富士山・アルプスアライアンスを発足
2025.03.27 18:46
静岡銀行と山梨中央銀行と八十二銀行は3月27日、包括業務提携を締結し、「富士山・アルプスアライアンス」を発足した。各行の独立経営を維持しつつ、移住促進を通じた人口増加や、収益拡大に向けて協業する。静岡・山梨・長野各県の人口の社会増を目標とし、3行合算の収益効果は5年間で200億円を目指す。
重点施策は、①人口減少・労働力不足に対する関係人口の増加②海外資本・人財を呼び込む新事業の展開③地域経済のサステナブルな発展に資するベンチャー・グロース分野の協業拡大やM&A(合併・買収)・事業承継の強化――とした。
人口増加に向けては、移住を促進するためのプロジェクトチームを作る。リノベーション事業者や人材紹介会社、自治体などと連携して3県の魅力をPRする取り組みや、移住関連ローン商品の共同開発などを想定。最終的には、3行共同による「移住促進事業」の枠組みの構築を構想する。
今後、人材面で交流しながら課題解決に向けた施策を検討する。頭取級・役員級・部長級の3階層で定例会を開く。各行関連部署の部長級を集めた分科会も設置。地方創生やコーポレート戦略など10のテーマで設け、具体的な連携施策の議論・実践を進める。
静岡銀と山梨中央銀は2020年10月に「静岡・山梨アライアンス」を締結。商談会や関係人口増加に向けた共同施策など協業を進めてきた。静岡銀の八木稔頭取は、アライアンスの枠組みを広げた理由について「(静岡・山梨アライアンスでは)効果が出る一方で、課題も慢性化している。その対応を加速させるため」と語った。