【推薦図書】『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎・古賀史健著)
2025.02.07 04:30
【推薦者】信金中央金庫常務理事・高橋 裕司氏
変えられるのは自分のみ
本書は、心理学の世界でフロイトやユングに並ぶ「三大巨頭」と評される、オーストリア出身の精神科医アルフレッド・アドラーの思想を、長年にわたって研究してきた哲学者の岸見一郎氏が古賀史健氏とともに記した書籍である。アドラーの思想を深く理解する「哲人」と、その考えに疑問を持つ「青年」との間での激しい議論を、対話形式で展開している。
専門書にありがちな難解な専門用語は少なく、初めてアドラー心理学に接する人にとって概要を理解しやすい内容となっている。
恥ずかしながら、私はこれまでアドラー心理学に触れたことがなく、未知の思想に対する純粋な興味のほか、当時担当していた人事分野での、職員育成や活躍に向けた何らかの示唆が得られればとの思いから、気軽に本書を手に取った。
テンポよく展開される対話のなか、これまでの常識を覆すアドラーの思想に触れて、思いがけず新鮮な驚きを感じると同時に、大きな気づきも与えられた。
アドラーの教えは、現実世界で実践することは決して容易ではない。ただ、こういった思想、考え方もあることを認識しておく意義は高い。
(ダイヤモンド社、税込み1650円)
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