政府、防災庁設置へ初の有識者会議 夏までに議論取りまとめ

2025.01.30 20:49
防災・復興
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会議冒頭で挨拶する赤澤大臣(1月30日、内閣府)
会議冒頭で挨拶する赤澤大臣(1月30日、内閣府)

政府は1月30日、防災庁の設置や防災施策の方向性を議論する有識者会議「防災庁設置準備アドバイザー会議」の初会合を開いた。大学教授や災害ボランティア団体の代表など防災関係分野の外部専門家20人が構成員として参加し、今夏の議論取りまとめを目指す。


冒頭、赤澤亮正防災庁設置準備担当大臣は「本気の事前防災に取り組む。これまでは体制から言っても予算から言っても不十分だった。人命・人権最優先の防災立国を早急に実現していく」と述べ、「防災庁を中核として各省庁や自治体に加え、民間企業、災害ボランティアなど、あらゆる関係機関の連携がキーワードだ」と強調した。


初会合では政府の防災施策の現状や議論の論点、進め方などについて整理した。有識者からは行政頼みにならない民間の力を活用した事前防災や国民一人一人の当事者意識の重要性を指摘する発言があった。会議進行役の主査を務める福和伸夫・名古屋大学名誉教授は、「防災を通して日本の未来社会を作る覚悟で議論していきたい」と話した。


2月以降に開く会合では「避難生活」「官民連携」「防災教育・啓発」「デジタル」「事前防災」を議題とし、複数回に分けて具体的な議論やヒアリングを進めていく。取りまとめた内容は政府が今夏に策定する「骨太の方針」に盛り込むことも想定する。


防災庁設置は石破茂首相の肝いり施策で、2026年度中の設置と専任大臣の配置を目指している。24年11月には防災庁設置準備室を発足し、12月に政府一体による災害対策を推進する「防災立国推進閣僚会議」も立ち上げた。25年度は防災庁設置を見据えて、災害対策の司令塔を担う内閣府防災担当の人員を220人に、予算を146億円にそれぞれ倍増する。

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