政府、日銀審議委員に小枝・早大教授を提示 政策委員会、初の女性2人体制
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政府は1月28日、日本銀行の審議委員に小枝淳子・早稲田大学政治経済学術院教授(49)を充てる人事案を国会に提示した。3月25日に任期満了の安達誠司審議委員の後任。金融政策などを議論・判断する政策委員会で女性委員が複数となるのは、1998年の日銀法改正以降で初めて。学者出身は植田和男総裁、野口旭審議委員に次ぐ3人目。
小枝氏は1999年に東大経済学部卒業後、カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)で博士号取得。国際通貨基金(IMF)のエコノミストや東京大学経済学部・大学院経済学研究科の特任講師、財務省財務総合政策研究所の総括主任研究官などを経て、22年4月に早大政治経済学術院教授(現職)。
17年から1年間、日銀金融研究所の国内客員研究員(非常勤)も務め、24年12月会合で検証結果を明らかにした非伝統的金融政策の「多角的レビュー」では、関連ワークショップの指定討論者などで携わった。
また、経営者や学識者らがメンバーの令和国民会議(令和臨調)で「財政・社会保障」部会の委員を務めている。
小枝氏と親交のある外資系金融機関幹部は「とても真面目な性格で、理論に基づき妥協せず意見を発するタイプ。政策スタンスは(前任の)安達委員と異なる」と評する。
石破茂現政権が日銀政策委員の人事案を提示するのは今回が初めて。明治安田総合研究所の小玉祐一氏は「政策委員会の〝リフレ色〟が一層、薄れた印象」として、「学問的見地から政策委員会の議論の質をより高める役割を果たす」とみる。