【推薦図書】『交渉の武器 交渉プロフェッショナルの20原則』(ライアン・ゴールドスティン著)
2025.01.24 04:30
【推薦者】三菱UFJニコス社長・角田 典彦氏
交渉経験が少ない・下手な人への導入書
今回は、世界的な弁護士事務所の東京オフィスで、日本・グローバルでの交渉経験が豊富な親日家弁護士の著者によるビジネス書をご紹介します。
題名の通り、交渉のやり方、ポイントについてさまざまな実例を交えてわかりやすく書かれたのが本書です。交渉経験豊富な方には、「感情的になってはいけない」「誠実であるべき」等々、まさにその通りで当然、という中身ですが、逆に言えば、ベーシックな交渉のポイントを網羅していて間違いがない、という点で、交渉の基礎を知りたい方にはとてもマッチしています。
私も仕事で交渉は何度も経験しましたが、本書の第1章のテーマである「交渉のゴールは合意ではない」から、まさにその通り、と共感できる内容です。「合意」が目的になればなるほど、本来の交渉の目的(=何かを実現すること)から、どんどん離れてしまいがちですし、「合意」を優先しすぎるほど、不本意な同意になる傾向も高いからです。
本書は、特に交渉経験が少なかったり、どうにも交渉がうまくいかない、というビジネスマンの皆さんにお薦めです。また、たくさんの事例が掲載されているので、交渉経験豊富な方にも、気軽に読めますので、ぜひ一読してみてください。
(ダイヤモンド社、税込み1650円)