藤原一朗・第二地方銀行協会会長 「持続可能な地域エコシステムを創出」
2025.01.01 04:40
コロナ禍を乗り越えた日本経済は、賃上げ、消費拡大、企業の設備投資などに支えられ、長きにわたる低迷から脱する明るい上向きの力が生じている。また、「金利のある世界」の到来により金融業界を取り巻く環境も大きく変わってきた。
今年度、第二地方銀行協会では、多様な特性を有する地域経済が力強い成長を取り戻すため、会員行が地域社会と共に持続可能な地域のエコシステムを創り上げていくことができるよう、「多様性から生まれる地域経済の共創」を活動テーマに掲げている。
本年も引き続き、会員行それぞれの多様性を尊重しつつ、次の3点に重点的に取り組む。
1点目は「多様な地域経済の新しい価値の共創」。現在、会長として全国各地の会員行を巡っているが、会員行が地盤とするそれぞれの地域の特性は一様ではなく、地域社会の未来を創造していくために会員行が目指すビジネスモデルについても一様ではないと改めて認識している。地域社会と地域金融機関が、多様な地域経済の新しい価値を共創できるよう、当協会は、会員行の持続可能なビジネスモデルの構築を支援していく。
2点目は「多様な人材の育成・確保」。当協会は、コンサルティング機能の高度化や新事業創出などの変化を生み出し、新しい価値を創造できる多様な人材の育成・確保に向けて、会員行の人的資本経営への取り組みを支援していく。
3点目は「多様なDX戦略への支援」。当協会では、DXに関するプラットフォームである「SARBLAB」を設置している。会員行の多様なDX戦略を尊重しつつ、地域の事業者および会員行自身の利便性と生産性の向上を支援していく。
金融政策の変更とともに経済正常化への道が開かれた。これまでの「異常な状態」から連続する考え方に依拠するのではなく、非連続な考え方で未来を創っていくことが大事だと考える。「多様性」をキーワードに、会員行と共に今後の地域経済を共創していきたい。