パーソルキャリア、提携金融機関を集め事例共有会 地域銀や信金から約200人が参加
2024.12.06 18:32
パーソルキャリアは12月6日、全国の提携金融機関を集め、人材マッチング事業の事例共有会を東京都内で開催した。地域銀行や信用金庫などの役員や人材紹介業務担当者ら約200人が参加した。
基調講演の講師は、金融庁の伊藤豊監督局長が務めた。伊藤氏は、国の地域企業経営人材マッチング促進事業「REVICareer(レビキャリ)」の旗振り役。地域銀行頭取や信用金庫理事長らも出席するなか、「経営陣が強力なリーダーシップを発揮して、金融機関にとっても有効な事業である人材ビジネスをさらに進めてもらいたい」と呼びかけた。
パネルディスカッションでは、池田泉州ホールディングスの鵜川淳社長兼CEO、地域経済活性化支援機構(REVIC)の柴田聡常務、パーソルキャリアの瀬野尾裕社長の3人が対談した。鵜川氏は「(傘下の池田泉州銀行には)今9人の本部専担者がいる。当初はもっと少なかったが、営業店の担当者がしっかり意識してお客さまにアプローチするよう意識付けをして推進してきた」と話した。金融庁出身の柴田氏は「金融機関が人材紹介業務に取り組む意義は、金融機関自身のサバイバルのみならず、地域経済がどうなるかの成否を決することになる事業だと思っている」と強調した。
人材紹介の成約件数が多い金融機関の表彰も実施した。パーソルキャリアと連携した成約や、パーソルキャリアのデータベースを活用した成約の累計件数が対象。常勤社員の人材紹介成約件数が累計100件を超えた金融機関や銀行子会社の表彰は、ぐんぎんコンサルティング、第四北越キャリアブリッジ、碧海信用金庫の3社。同200件以上の表彰は、北海道共創パートナーズの1社。同300件以上の表彰は足利銀行、ちばぎんキャリアサービスの2社。同700件以上の表彰は、池田泉州銀行の1社だった。
碧海信金の担当者は「『パーソルキャリアに負けない求人票を書こう』を目標に、求人企業にヒアリングをしてきた。聴取したキーワードについて『なぜ、どうして』を3回繰り返し聞いて、それを求人票を落とし込んでいる」と話した。
副業人材の成約件数が多い金融機関の表彰式も行った。成約の累計件数が20件を超えた金融機関や銀行子会社の表彰は、伊予銀行、いわぎんリサーチ&コンサルティング、百十四銀行、呉信用金庫、きたしん総合研究所の5社。同30件以上の表彰は、中信ビジネスサービス、ひろぎんヒューマンリソース、庄内銀行、足利銀行、尼崎信用金庫の5社だった。
中信ビジネスサービスの担当者は、副業人材の紹介サービスを始めるにあたり「(親会社である京都中央信用金庫の)約120店舗に対し、12のブロック別に、3カ月かけてリアル勉強会をして、副業人材支援の意義を啓蒙した。それによって、副業人材支援が本業支援につながるという理解が(金庫内に)広がった」と語った。
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