マンスリーマーケット(12月) 主要中銀会合が焦点 日銀は追加利上げ慎重
2024.12.02 04:30
12月は各中央銀行の金融政策の動向に注目が集まりそうだ。12日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会ではユーロ圏の景況感がさえないこともあり、市場では9月から3会合連続での利下げが確実視されている。
一方、17、18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では3会合ぶりに政策金利が据え置かれる可能性が高い。同時に発表される経済見通しでは、米経済が想定以上に堅調なことに加え、次期トランプ政権で減税など米景気を押し上げる政策が実現する可能性が高まっていることから、2025年末までの利下げ幅が前回見通しから縮小されるとみる。もっとも、利下げ幅の縮小は米経済が強いことの表れであり、米経済・企業業績拡大への期待を背景とした米国株の上昇基調は変わらないだろう。
国内でも18、19日に日銀金融政策決定会合が開催される。執筆時点では、今会合における市場の追加利上げの織り込みが十分とはいえず、日本銀行は前回追加利上げを行った7月会合後に金融市場が大きく混乱したことへの反省から拙速な利上げは見送るとみられる。ただ、一段と円安が進んだ場合や、13日発表の日銀短観12月調査が想定以上に強い内容となった場合には、追加利上げに踏み切る可能性がある。その際には今後の金融政策方針を巡り、金融市場の混乱を招かないよう丁寧なコミュニケーションが求められるだろう。