信金、「振込」追加し利便性向上 NTTデータアプリで順次
2024.11.24 04:35
信用金庫は、個人向けに提供するスマートフォンアプリに更新系のサービスを追加し、顧客の利便性を高める。しんきん情報システムセンター(SSC)が10月までに、インターネットバンキング(IB)の振込機能を他のアプリに実装できる体制を整備。今後、NTTデータ提供のアプリを利用する34信金が順次機能拡充していくもよう。一部信金では11月から導入を始めている。
信金業界の共同アプリには、67信金が利用する「しんきんバンキングアプリ」(SSC提供)と、176信金が利用する「しんきん通帳アプリ」(しんきん共同センター提供)がある。ただ、いずれも詳細なカスタマイズができないなどの理由から、直近ではNTTデータの「アプリバンキング」を利用する信金が増加傾向にあった。
しかし、アプリバンキングで活用できる機能はこれまで、参照系サービスにとどまっていた。更新系は、しんきんバンキングアプリを利用する個人IB契約者に限定されていた。
一方で、銀行界では振込機能を提供しているケースが多く、他業態との競合の観点などから信金業界で不満の声が上がっていた。そうした声を受けて、SSCが振込機能の切り出しに動いた。関係者は「今回の機能拡充により、アプリ自体の導入も広がるのでは」とみる。
デジタル化の進展や預金獲得競争の激化などを背景に、近年、スマホアプリの重要性は高まっている。ただ、協同組織金融機関は銀行に比べて遅れが目立っており、UI(顧客視点)・UX(顧客体験)の向上を目指す意識が強くなっている。
信金業界では、7月に全国信用金庫協会が、7信金のトップや信金中央金庫などの業界組織役員で構成する「デジタル戦略専門委員会」を設置した。信金ならではのアプリ戦略を議論しており、12月17日には第2回の会議を開催予定。今後、業界のスケールメリットを生かした新たな施策を講じていく構えだ。
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