地域銀、営業拠点の集約続く 23年度169カ店減少
2024.11.01 04:35
地域銀行の店舗再編が続いている。店舗内店舗方式で、近隣の営業店を1カ所に集約し、実在する店舗を減らしており、2024年3月末時点で、地域銀全体の実店舗数は前年同月比2%(169カ店)減の8211カ店となった。業態別では、地方銀行が同1.8%(114カ店)減の6102カ店、第二地方銀行は同2.5%(55カ店)減の2109カ店だった。
各地の高齢化や人口減少を背景に、店舗網の見直しはさらに進む見通し。ただ「金利ある世界」に入り預金獲得の必要性が高まっており、各行の店舗戦略も変わる可能性がある。「月刊金融ジャーナル」が、地域銀全99行を対象に店舗内店舗を含め店番を有する店舗数と、実店舗の拠点数を集計した。(詳細は『金融マップ』2025年版)
店番数に占める実店舗の割合が低い(店舗内店舗の割合が高い)銀行は、地銀では荘内銀行、北都銀行、筑波銀行、第二地銀はきらやか銀行、東京スター銀行、東日本銀行。将来的に合併を控える銀行や、持ち株会社傘下で店舗網を再構築している銀行が目立った。一方、24年3月末時点で店舗内店舗化を実施していないのは福岡銀行、静岡中央銀行、豊和銀行の3行だった。
傾向としては、今後も店舗の集約が進む見通し。東北地区の地域銀関係者は「店舗網を見直す余地がまだある」として集約を継続する考えを示した。北陸地区の地域銀関係者は「店舗再編は道半ば。店舗機能の見直しも並行して進める」と話した。
ただ、預金の重要性が高まるなか、店舗戦略への影響も想定される。預金シェアが高い地域銀は店舗を再編しても、競合金融機関への預金流出リスクが相対的に低い。一方で、預金シェアが低い地域銀は預金流出を懸念する。ある関係者は「預金は自然体では集まらないので、顧客接点となる拠点は重要だ。スマホアプリは預金獲得に有効なツールだが投資が重荷」と悩みを明かす。店舗機能を見直したうえで、拠点を残すやり方が今後中心になるとの見方もある。
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