高岡信金、新卒内定者が倍増 就業体験に営業同行
2024.10.29 04:40
高岡信用金庫(富山県、永岩聡理事長)は、2025年春の新卒内定者を前年の9人から2倍超の20人に増やした。学生に働くイメージを持たせようと渉外係の営業に同行させる就業体験や、理事長から人事担当役員に採用の決定権限を委譲して早期確保に動いたことが奏功した。
2月(冬)と8月(夏)の「一日就業体験」では従来、参加者全員に企業説明や札勘、先輩職員との座談会などを実施していた。それを24年2月から総合職と一般職のコース別開催とし、内容も刷新した。多くの学生はこの時期にはすでに志望コースを決めているためだ。総務部人事課は「表面的な企業説明よりも具体的な業務内容を伝えた方が彼らのニーズに合致する」と説明する。
現場の臨場感を伝えるため、総合職を志望する学生向けの体験会では、支店経験のある採用担当者が地元企業の経営課題解決を支援したエピソードなどを講演。さらに「職員が働く生の現場を見てほしい」(同)と、渉外係が企業訪問するのに学生が同行する機会を設けた。経営者との商談の現場を体感し、学生からは「信金と取引先の距離の近さを感じた」との声も上がった。
学生との接点増加にも尽力。合同説明会など各種イベントで見込みのある学生と会った際には、オンラインや対面の面談を依頼。志望度合いや人柄を確認する機会にした。
選考フローも一部変更。従来は理事長の最終面接を経て内定を出していたが、優秀な人材を早期確保するため、人事担当理事に権限を委譲。決定時期も前倒しした。志望度の高い学生の採用が実現し、辞退率は21~24年平均の5割から3割へと大幅に改善した。
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 北陸銀と北海道銀、営業支援システム導入 年18万時間の作業削減
- 金融界、「隠れリース」特定に本腰 27年の新基準適用迫り
- 群馬銀、ストラクチャードファイナンス3年5.7倍 RORA向上に寄与
- 金融庁、決算書入手方法を調査 地域金融の実態把握へ
- 京都中央信金、理事長に植村専務が昇格 白波瀬氏は代表権ある会長へ
- 福井銀、野村証券と包括提携2年 預かり残高5000億円超
- 固定型住宅ローン、金利〝決め方〟見直し機運 参照指標「再検討」も
- メガバンク、上場廃止増えLBOローン好調 三菱UFJ銀は管理高度化
- 信金、店舗減少が小幅にとどまる 職員数推移との格差鮮明
- 地域銀・信金、NISA口座伸び悩む 3カ月の増加率1%