ゆうちょ銀、定期貯金金利・通常貯金金利を引き上げ 9月2日から
2024.08.30 16:24「ゆうちょ銀、定期貯金金利、通常貯金金利引き上げ 9月2日から」ニュースの要約
・ゆうちょ銀行は8月30日、定期貯金の金利を9月2日から引き上げると発表
・預入期間1カ月、3カ月、6カ月、1年、2年の金利をいずれも0.125%に設定
・現行金利はすべて0.025%
・定額貯金金利も改定し、9月2日から6カ月以上3年未満は0.11%、3年以上は0.13%
ゆうちょ銀行は8月30日、定期貯金の金利を9月2日から引き上げると発表した。預入期間1カ月、3カ月、6カ月、1年、2年の金利をいずれも0.125%とする。現在はいずれも0.025%。
定額貯金金利も改定し、9月2日から6カ月以上3年未満は0.11%、3年以上を0.13%とする。
ニッキンONLINE編集デスクの目
ゆうちょ銀行は、同日9月2日に、普通預金に該当する「通常貯金」の金利も年0.02%から年0.1% に引き上げる。
郵便貯金事業は国の運営のもと1875年に創業、1949年の郵政省の発足を経て、2003年に発足した日本郵政公社による運営、そして民営化以降のゆうちょ銀行とつながってきた 。郵政省発足後の定期貯金金利の推移を振り返ってみると、1970年代には7%を超える高金利を記録し、1990年には6.08%の高水準を維持している(1年満期)。 その後、金利は下降トレンドに入り、1996年には0.35%に低下 (3年満期)。その後もリーマンショックや2016年のマイナス金利政策導入を受け、金利は低水準に抑えられた。2020年には0.002%にまで落ち込んでいる (3年満期)。
国民の貯蓄を促進し、集まった資金をインフラ整備や財政投融資の資金源として活用することを目的として始まった郵便貯金事業。これも過去の定期貯金金利が高かった一因である。
近年、国内外のインフレ圧力が高まった結果、金利の引き上げが再び議論されるようになり、2024年には日本銀行が金融政策を変更。3月19日 の金融政策決定会合においてマイナス金利を解除した。また、7月31日には無担保コールレートの誘導目標水準を0~0.1%程度から0.25% に引き上げた。
大手銀行にも金利上昇の波が波及している。三井住友銀行は8月6日から普通預金の金利を年0.02%から年0.1% に引き上げたほか、三菱UFJ銀行とみずほ銀行も9月2日から年0.02%から年0.1% に引き上げている。
今後もインフレ抑制策として日銀が政策金利の引き上げを行う場合、ゆうちょ銀行を含む国内金融機関の金利政策に影響を与える可能性は高い。