パリパラ五輪28日開幕、金融界から22人出場

パリ2024パラリンピック競技大会が8月28日から開幕する。金融界からは、10競技22人（表）が出場予定。メダル獲得や上位進出を目指す。

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V2狙うマラソン道下　大谷・上地ペアに注目

前回の東京パラリンピック（21年）では、金融界から14人のメダリストが誕生した。唯一、金メダルを獲得した女子マラソン（T12）の道下美里選手（三井住友海上火災保険）が今大会も出場。世界記録を持つ道下選手は、4月のかすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン2024（茨城県）で、2位に5分以上の差をつけて、優勝。47歳になっても衰え知らず。第一線を走り続ける道下選手に連覇の期待がかかる。男子マラソン（T12）には、前回7位入賞の熊谷豊選手（三井ダイレクト損害保険）が出場する。

トライアスロン男子（PTVI）には、銅メダリストの米岡聡選手（三井住友海上）が出場。世界各地を転戦して行うワールドトライアスロンパラシリーズに参加する米岡選手は、3月のデボンポート大会で3位。上位進出をうかがう。陸上短距離では、男子200メートル（T64）アジア王者の井谷俊介選手（SMBC日興証券）が初出場。女子400メートル（T13）には、前回7位入賞の佐々木真菜選手（東邦銀行）が出場。地元福島の思いを胸にパリを駆け抜ける。

車いすテニスは、3人が出場。男子は世界ランキング10位の荒井大輔選手（BNPパリバ）。女子は、上地結衣選手（三井住友銀行）と大谷桃子選手（かんぽ生命保険）がそれぞれ出場。女子ダブルスで銅メダルを獲得した上地・大谷の金融ペアへの活躍に注目。バドミントンでは、男子・ダブルス銅の村上浩選手（SMBCグリーンサービス）が選出。2大会連続のメダル獲得を目指す。

多種多様な団体競技　車いすラグビーは6人

パラスポーツの醍醐（だいご）味である団体競技。視覚障がい者が鈴が鳴るボールでサッカーをするブラインドフットボールには、川村怜選手（アクサ生命保険）が代表主将を務める。同じく、鈴が鳴るボールを投げ合いゴール数で勝敗を決めるゴールボールには、安室早姫選手（SMBC信託銀行）。車いすバスケットボールには、財満（ざいま）いずみ選手（モルガン・スターレー・グループ）がそれぞれ選出された。

2大会連続で銅メダルの車いすラグビー。主将の池透暢選手（日興アセットマネジメント）を中心にメンバー12人中6人が金融界からの選出。ベテランと若手が融合し、初めての頂点を掴み取る。

パリパラリンピックは、9月8日まで22競技を実施。パラリンピアンの熱い戦いが始まる。

【一口メモ】　種目にあるTやFって何？

パラリンピックでは、競技種目に「T」や「F」「S」などの表記があるが、何を指しているのか。答えは競技によって意味がさまざまだ。

陸上では、「T」は200メートル走やマラソンなどのトラック競技や跳躍競技、「F」は砲丸投げなどの投てき競技。陸上は英語でTrack and Fieldとも言うのでそれぞれの頭文字から由来する。同じく、競技由来なのが水泳（Swimiming）や柔道（Judo）、トライアスロン（Para Triathlon）など。

障がいの状態によって表記する場合もある。バドミントンでは、「WH」や「SL」…といった具合に、車いすの場合はWheelchair（日本語で車いす）から「WH」、下股に障がいのある選手が出場する「SL」は、Standing/Lowerの意味から。トライアスロンで出場する米岡選手は視覚に障がいがあるため、Visually Impaired（日本語で視覚障がい）の「VI」が後ろに付随する。

なお、下の数字はそれぞれの障がいの状態を表しており、原則、数字が小さいほど重度とされる。