【推薦図書】『語学の天才まで1億光年』(高野秀行著)
2024.08.23 04:30
【推薦者】竹橋経営コンサルティング社長・古尾谷 未央氏
共通言語で信頼関係を築く
近年、翻訳機械やアプリなどの普及により、語学を学ぶ必要性が薄れていると言われてる。確かに、海外旅行やビジネスシーンでも、それで事足りるようになってきたように思う。しかしながら、相手との「共通言語」で話すことによって絆が生まれることは間違いなく、それは生身の人間同士だからこそ可能であるとも感じている。
著者の高野秀行氏は、20代から世界各国の辺境に赴き、未知のものを求めて探検している。その際高野氏が必ず行っていることは、「現地の言葉で会話する」ということだ。それによって、現地の人の信頼を得ることができるという。学んだ言語は25以上だというから驚きだ。
金融機関職員の方々は、経営者と面談する際に、本当に真の対話ができているだろうか。そのためには、現地(企業の現場)の共通言語で話す必要がある。それぞれ別の言語で話していると、通じているようでどこかチグハグな会話になりかねない。経営者との共通言語を学ぶためには、勇気を持って経営の現場に飛び込んでいくことが重要となる。ハードルが高いと感じるかもしれないが、それによって真の対話が実現し、著者と同様、経営者と強固な信頼関係を築くことができるはずだ。
(集英社インターナショナル、税込み1870円)
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