小説 ザ・フロント・バンカーズ(31)

2024.08.19 04:30
小説 ザ・フロント・バンカーズ
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江波戸哲夫/和田早苗(画)
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 その朝、杉谷はいつもより30分も早く「M北支店」の通用口を通り抜けた。
 一階から支店長室のある二階への階段に足を踏み出したとき、鋭い靴音が誰の姿もない「預金課」のフロアを過り抜け、テラーのカウンターを越えて、顧客の待合ロビーに響き渡った。
 その響きに向けて、この二日二晩、胸に溜まり続けて...

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