【都市対抗】12年ぶり金融対決は明治安田が勝利、四国銀から逃げ切る
2024.07.26 22:26
第95回都市対抗野球大会は7月26日、2回戦が行われた。第3試合では四国銀行(高知市)と明治安田(東京都)が対戦。12年ぶりの金融対決は序盤、中盤で効果的に得点した明治安田が4対1で勝利した。
金融機関同士が本大会で直接対決するのは第83回大会(2012年)以来。両チームは2月、明治安田が高知で合宿し、四国銀とのオープン戦や合同で野球教室を開催するなど交流がある。
大会前、明治安田の岡村憲二監督(50、明治安田システム・テクノロジー、専大)は「お互いに頑張ろう」とエール。四国銀の亀岡洋介監督(39、コンサルティング部、松山大)は試合前、「これは何かの巡り合わせ。しっかりいい戦いができたら」と意気込んだ。

四国銀・田井惣士(23、桂浜通支店、創価大)、明治安田・松下瑛亮(22、東京第二マーケット開発部、専大)の両右腕が先発した試合は、1回ウラに明治安田・鈴木薫(30、補強選手=ホンダ、国学院大)がライトに先頭打者本塁打で先制。2回ウラには伊藤智也(26、新横浜支社、立大)が右中間にタイムリー三塁打とボークで2点追加。四国銀・田井が2回でマウンドを降りた。
反撃に出たい四国銀は5回表、1回戦で勝利を呼び込むタイムリーを打った主将の南武志(28、上町支店、同志社大)がレフトへ本塁打。2点差に詰め寄ったが、6回ウラ、粘りの投球を見せた四国銀の2番手・佐田涼介(27、よさこい咲都支店、拓大)を明治安田の打線が捕らえた。2アウト1、3塁の場面で「思い切って振りぬいた」という伊藤の打球は、センターへのタイムリー2塁打でダメ押しとなる4点目が入った。

明治安田のマウンドは7回から小玉和樹(27、立川支社、国学院大)、中尾剛(24、立川支社、東海大)、中﨑響介(26、丸の内支社、立大)とリレー。四国銀の打線を2安打に抑え、前身の明治生命時代、第53回大会(1982年)以来となる2勝目を挙げた。明治安田・岡村監督は「投手陣が粘って、守り勝つ野球ができた」と振り返った。

一方、四国銀は、4大会ぶりのベスト8は叶わなかった。亀岡監督は「投手陣は粘った。完敗だったが、選手が涙を流しているのを見て、勝ちに行く姿勢、四国の野球が変わり始めている姿が見えた」と語った。南主将は、「遠方からたくさんの応援が来て、選手の励みになった。日本選手権でリベンジしたい」と誓った。
明治安田は準々決勝に臨む。28日14時から東京ガス(東京都)との東京ダービーに岡村監督は、「知り尽くしている相手、できる事をしっかりする」と引き締めた。

【一口メモ】
都市対抗野球での金融対決は過去に6回。四国銀は、第55回大会(1984年)で北海道拓殖銀行(札幌市、1対6)、直近の第83回大会(2012年)で日本生命保険(大阪市、0対1)。明治安田は第53回大会(82年)、前身の明治生命保険に北海道拓殖銀(6対5)とそれぞれ対戦経験がある。保険会社同士の対決はないが、銀行同士の対決は2回行われ、いずれも北海道拓殖銀が勝利した。かつては、日本選手権の前身に「日本産業対抗野球大会」(1951~73年)があり、金融代表をめざし競い合った時代もあった。