富山銀、地域活性化へ無料バス運行 県境超えは全国初
2021.11.14 04:40
富山銀行は11月13日、富山県南砺市と石川県金沢市を結ぶ無料巡回バス「ラン♪Run♪Bus」の運行開始記念セレモニーを、南砺市と取引先のアペックスグループの3者で開催した。県境を越える無料巡回バスの運行は全国初。
巡回バスの運行は、2020年10月に南砺市と締結した「地方創生に向けたSDGs(持続可能な開発目標)の推進に関する包括連携協定」に基づく取り組みの一環。若年層や高齢者の交通手段となることで新たな商流を生み出し地域活性化につなげる狙いだ。
同行はコーディネーターとして、両社への説明や会議などの日程調整、運行ルートや停留所の選定・許認可・事前説明に関する進捗(しんちょく)管理まで担い、約半年間かけて運行を実現させた。早期開始のため事務局は置かなかった。当初は8月中旬の運行開始予定だったが、コロナ禍拡大の影響を受けて延期されていた。
費用は停留所となる商業施設などからの協賛金を充てていく予定。事業の持続可能性が確認されれば、いずれは南砺市内を巡回する公共交通に発展していくことも考えられる。運送業を主体とするアペックスグループは、北陸地区の冷凍物流の9割を担うほか、タクシー会社や温浴施設、石川県内では無料巡回バスも運営している。
富山銀は同社のサブ行だが、中沖雄頭取は「これからは融資だけでなく、地元企業に幅広くアイデアを提供していくことが地方銀行の役割」と話した。今後も事業の拡大や付加価値を高めていく際に支援していく構えだ。
関連記事
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 北陸銀と北海道銀、営業支援システム導入 年18万時間の作業削減
- 金融界、「隠れリース」特定に本腰 27年の新基準適用迫り
- 群馬銀、ストラクチャードファイナンス3年5.7倍 RORA向上に寄与
- 金融庁、決算書入手方法を調査 地域金融の実態把握へ
- 広島銀、請求書業務のDX後押し 新システムで決済口座確保
- 京都中央信金、理事長に植村専務が昇格 白波瀬氏は代表権ある会長へ
- 固定型住宅ローン、金利〝決め方〟見直し機運 参照指標「再検討」も
- 地銀、外貨保険販売が36%減 24年度下期、10万件割れ
- 信金、店舗減少が小幅にとどまる 職員数推移との格差鮮明
- 地域銀・信金、NISA口座伸び悩む 3カ月の増加率1%