南都銀、アグリ事業に参入 もうかる農業めざす
2021.11.03 04:38
南都銀行のグループ会社の奈良みらいデザイン(大田直樹代表取締役社長)は、新たにアグリ事業を立ち上げた。2022年1月から奈良県宇陀市榛原笠間地区で、農産物生産を開始する。
栽培した農産品は飲食店等への供給や電子商取引(EC)モールで販売する。〝大和野菜〟ブランドの向上につなげ、農業の成長産業化と地域の活性化を目指す。
「笠間地区農業プロジェクト」は、7月に「奈良ヰセキ販売」と業務委託契約を締結。今回、同地区で農地約1.7㌶を借り受け、米や路地・ハウスもの野菜などを栽培する。特に、寒暖差のある気候を生かす考えだ。
営農は同社アグリ事業部2人(銀行から出向)と農地を提供した農家のほか、アドバイザーの奈良ヰセキ販売と連携して取り組む。奈良ヰセキ販売の竹島成和・取締役常務執行役員は「高齢化や後継者など課題解決だけでなく、スマート農業なども進めていきたい」と述べた。農地を提供した農家も、「大変ありがたい。山間地の活性化につながり地域の人も期待している」と語る。
同事業では売り上げで22年度に1000万円、3~5年後に3000万円程度を目指し、黒字化を展望する。
奈良みらいデザインの大田社長は、「農業経営にかかる知見を蓄積。金融面からのサポートや生産・販売などソリューションを提供していきたい」と話す。同社は2021年4月に設立。奈良県内の古民家再生への取り組みや名産品を紹介するECモール「ならわし」を運営している。