金融データ活用推進協、生成AI実務手引き公開 効果・リスク事例別に

2024.05.28 04:30
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生成AIの利用促進へ意気込みを語る岡田代表(5月27日、東京・茅場町)

金融データ活用推進協会(FDUA)は生成AI(人工知能)の利用促進に向け、ノウハウ共有を本格化した。5月27日、「金融機関における生成AIの実務ハンドブック」を公開し、利用効果やリスクのポイントを利用例別に明示。最善策の事例に基づく実践的な要点を発信し、金融界全体のイノベーションを底上げする。


大手金融機関やベンダー、AI事業者で先行例をもとに活用場面や組織体制の構築、現状における課題などをまとめた。実践的な側面を重視して整理しており、典型的な事例における論点などを収集できる。利用で留意すべき考え方や指針を示す「金融機関における生成AIの開発・利用に関するガイドライン」は8月にも公開予定だ。


ハンドブックの活用例は大きく①個人②社内③顧客など社外――のレベルに分け、アイデアの壁打ちや稟議書案作成といった具体策を提示する。具体策ごとに概要や期待効果、想定するリスクを明示し、必要な対応策を示す。生成AIワーキンググループ長の佐藤竜介(東京海上ホールディングスのデジタル戦略部マネージャー)は「事例ベースで有用なものに仕上がった」と総括した。


成功例を共有することで、中小規模の金融機関でも先端技術を取り入れやすくなる。特に生成AIはこれまでのAIと異なり、一定水準で完成している汎用的なモデルが公開されている。中小規模の金融機関でも活用を始めやすく、利用場面の方策を示すことで素早さを高めることができる。



来賓あいさつで期待を語った柳瀬審議官(同)

FDUAの岡田拓郎代表理事は「ガイドラインとハンドブックを議論の呼び水にし、ブラッシュアップを進めたい」と語った。金融庁総合政策局の柳瀬護審議官は「チャレンジでぶつかった時にみんなで解決策を考えていくことが、生成AIを生かすのに重要となる。その輪に金融庁も入れていただきたい」と期待を寄せた。


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