関東甲信地区地域銀、12行・Gで純利益増加 金利上昇に言及相次ぐ
2024.05.15 18:00
関東甲信地区地域銀行の決算が、大方出そろった。14行・グループの連結純利益の合計は、3161億8000万円で前年同期比17.8%の増加。2018年のきらぼし銀行発足以降では最高額を記録し、12行・グループで増益となった。会見では、金利上昇局面における各行の姿勢について、トップからのコメントが相次いだ。
単体のコア業務純益(投信解約損益を除く)の合算は、前年同期比1.4%増の4716億6900万円となった。
コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)は、純利益が前年同期比19.1%増の669億3100万円と3期連続(年度ベース)の増益、千葉銀行は、純利益が同3.5%増の624億4000万円と過去最高となった。
国債等債券関係損益は東和銀行を除く全行・グループでマイナスとなった。千葉興業銀行の梅田仁司頭取は「金利上昇のなかでポートフォリオの改善を進め損失が膨らんだ形だ」と分析した。
金利上昇に関して群馬銀行の深井彰彦頭取は「24年秋ごろに政策金利が0.25%に上り、25年中に0.5%まで上がるシナリオを想定している」と予想。めぶきフィナンシャルグループの秋野哲也社長は「市場金利に連動する貸出金では、利回りでプラス効果は出てくると思う。一方で、普通預金金利が0.02%まで上昇したので利払い負担も増え、相殺されている」と話した。
また、「短期的に見れば保有債券(の価値)が下落するマイナス部分もあるが、中長期的には新規の投資の利回りや貸し出しの利回りが上がり、金利収益的にはポジティブになる」(片岡達也・コンコルディアFG社長)との分析もあった。
(※5月15日に発表された東京スター銀の決算を追加しました)