生保協、株式市場活性化の提言見直し 人権尊重など新規追加
2024.04.19 20:58
生命保険協会は4月19日、「株式市場の活性化」と「持続可能な社会の実現」に向けた提言をまとめた報告書を公表した。1974 年度から実施しており、50 年目となる。今回は、人権尊重に向けた取り組みの促進を新たに追加。企業のサプライチェーンにおける強制労働などの有無を念頭に置いている。
生保協は、この提言を通して一般企業や投資家、政府向けに機関投資家としての生保会社の運用の考え方や要望事項などを公表。実際に、投資先企業へのエンゲージメント(対話)を行う際の資料として活用されている。
上場企業1200社と、生命保険会社などの機関投資家200社にアンケートを実施した結果、ESG活動の主要テーマに「人権尊重」を挙げる企業が増えていることから、提言に追加した。
昨年は故ジャニー喜多川氏による性加害問題を踏まえ、保険業界でも旧ジャニーズ事務所のタレントとの広告契約を見直す動きが広がった。日本生命保険のエンゲージメント担当者は「投資先の上場企業では広告に起用する芸能事務所も含めて、人権デューデリジェンスを実施するところが増えた」と語る。
また、今回の報告書では企業に対し、株主還元を含む財務・資本戦略を投資家に十分説明することや、ROE(自己資本利益率)目標を設定する際に資本収益性の分析・評価に基づいて行うことも求めた。企業と投資家の間で経営目標や財務戦略の認識に大幅なギャップがあり、その状態が継続していることがアンケートで確認されたことから追加した。
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