マンスリーマーケット(5月) 想定外の環境変化に警戒
2024.04.29 04:35
例月にも増して、想定外の環境変化に気を配る必要がありそうだ。まずは中東情勢のエスカレートが回避されるかどうかに関心が高い。市場は、パレスチナ紛争が中東広域に拡大し、原油価格が高騰するシナリオを警戒しているためだ。イスラエル・イラン双方が抑制的なスタンスを保てるかどうかが重要であろう。原油価格がじわじわと上昇したこともあり、FRBによる早期利下げ見通しに疑義が生じ始めている。現時点では、FRBは将来的な利下げスタンス自体は維持していると考えられるが、再利上げに向かうことがないか連銀メンバーのコメントが注視されよう。
米雇用統計や消費者物価といった重要指標でデータの確認も欠かせない。日本の国内マーケットは海外情勢の落ち着きを待ちながらの展開が想定されるが、注目しているのは足元の景況感の回復具合である。景気ウォッチャー調査や消費動向調査が堅調だと、景気好循環サイクルへの波及が意識されそうだ。
また、日銀は、過去の非伝統的な金融政策を振り返る、多角的レビューのワークショップ第2回を開催する。
日銀は、今後半年以内程度をめどに結論をまとめると見られる。次の金融正常化の一手を探るうえで、市場の関心が高いだろう。