【推薦図書】『こうして社員は、やる気を失っていく』(松岡保昌著)
2024.04.05 04:30
【推薦者】全国労働金庫協会専務理事・西村 良隆氏
組織には不条理なことが数多く存在する
組織の文化は、そこに属する人たちの考えたこと、感じたことを「言葉」にすることで形づくられる、それは事実の有無に優先する。
自組織に関する認知・評価が、一リーダーの言葉により知覚・判断されることは珍しいことではありません。「新しいことに一所懸命取り組んだが報われなかった」とある部門の責任者がたった一度感じたことを言葉にしたことで、部下はそんな会社なんだなと簡単に受け入れる、「社会構成主義」の考え方のひとつです。
私たちは多かれ少なかれ不条理を感じつつそれぞれの組織のなかで働いています。多くの時間を要してようやく練り上げたプランが鶴の一声でひっくり返される、上司に何を話しても理解してもらえない……などなど。
本書は、組織において発生しがちなこと(あるある)を記載し、処方箋(せん)としての改善策を極めて平易な言葉で教えてくれます。
3人のレンガ職人。1人は「レンガを積んでいるだけ、ただきついもの」、1人は「壁を作っている、これで家族を養えるからありがたい」、そしてもう一人は「歴史に残る大聖堂を作っている、多くの人のためになる素晴らしい仕事」。行動は、組織の目的や人の価値観などでその意味を変える、ぜひご一読を。
(日本実業出版社、税込み1760円)
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 横浜銀や静岡銀など20行庫、生成AIの実装拡大へ 検証結果・最善策を共有
- 西京銀、口座開設効果で給振1000件 サービス拡充、流出防ぐ
- 七十七銀宇都宮法人営業所、東北へのつなぎ役に徹する 開設2年で融資170億円
- 三菱UFJ信託銀、低コストPEファンド 1~4号累計で900億円
- 加藤金融相、信用金庫の資本基盤は「総体として安定」
- 都銀、貸出金利引き上げ先行 地銀上回る月も
- 金融庁、サステナ情報開示義務化 SSBJ基準適用
- 肥後銀、「オペレジ」確保を高度化 勘定系バックアップ平日稼働
- しんきん共同センター加盟235信金、「AIスコア」導入へ マネロン対策を底上げ
- ひろぎんHD、女性登用へ階層別研修 役員面談で意識改革