新生銀、SBIのTOBに反対表明 賛同条件も示す
2021.10.22 04:33
新生銀行は10月21日に開催した取締役会で、SBI地銀ホールディングスによる株式公開買付(TOB)に対し、反対意見を表明することを決議した。同時に賛意する場合の条件も示した。
正式な反対表明により、敵対的TOBに発展する。反対の理由は、今回の公開買付が実質的な支配権の取得を企図しながら買付数に上限のある部分買付で残存株主に不利益が生じる恐れがあること。買付価格がプレミアムを加重平均した場合には低水準であり、同行の本源的価値を反映した価格とは言えないこととした。
賛同する条件は、買付予定数の上限のない公開買付とすることや、同行の本源価値を反映した価格であると評価・判断できる水準まで買付価格を引き上げることなどとし、11月19日までにSBI側に回答を求めた。
これと合わせて買収防衛策をなどの対抗措置を確認するための臨時株主総会を11月25日に開くことを決議した。
同日、記者会見した工藤英之社長は「何が最善か徹底的に議論し意見が一致した」と強調。公開買付価格は低過ぎるとし、株主に対し公開買い付けに応募しないよう訴えた。
ホワイトナイトの可能性については、TOBの以前から経営のパートナー探しを行っており「どこかの傘下にといった協議は常に行っている。最適なパートナーを探す取り組みは続ける」(工藤社長)とした。
一方、SBIホールディングスは、新生銀がTOBに対し反対意見を表明しことについて、株主の「混乱を招くもの」との考えを示した。
新生銀がTOBに賛同する条件として、TOBで買付後の所有割合で上限設定を撤廃することについては「受け入れることはできない」とし、買付価格を引き上げるつもりのないことを明かした。