【初任給関連】日本生命、内務職員5.5%賃上げ 初任給24.6万円へ
2024.03.12 18:22【初任給関連】「日本生命、内務職員5.5%賃上げ 初任給24.6万円へ」ニュースの要約
・日本生命保険は2024年7月から全国の内務職員約2万人を対象に平均5.5%の賃上げ実施
・月例給与を全層で5000円引き上げ、主任補クラス以下にはさらに5000円を加算
・賞与は各層で6%引き上げ
・初任給も引き上げ、総合職は21万1000円から24万6000円、営業総合職は25万1000円から29万5100円に
日本生命保険は2024年7月から、全国約2万人の内務職員を対象にベースアップ(ベア)を含めてファンド(財源)ベースで平均5.5%の賃上げを実施する。月例給与について全層で5000円を引き上げるほか、実務を担う主任補クラス以下に対してさらに5000円を加算。「賞与は各層とも6%を引き上げる」とした。
初任給も引き上げ、総合職で23年4月の21万1000円から24万6000円へ、営業総合職では25万1000円から29万5100円へそれぞれ増やすことで調整する。グループ会社では大樹生命保険が営業職員を対象に平均6%、内務職員は4%超の賃上げを実施。ニッセイアセットマネジメントは全層を対象に定期給と別建てで、物価高対策として一律年間20万円のベアを行う。
ニッキンオンライン編集デスクの目
日本生命が初任給を引き上げた背景として、物価上昇への対応が考えられる。消費者物価指数は前年比2.5%を超える 上昇が続き、従業員の実質的な購買力維持が課題となっている可能性は高い。デジタル化やグローバル化の進展により、専門性を持つ人材獲得に向けた対策も含まれているだろう。
生命保険業界における賃上げの動きは、過去の長期的な低金利環境下における収益性低下によって抑制的な傾向が続いていた。しかし、2024年に入り大手生保各社では初任給の引き上げ が相次いでいる。
特筆すべきは、日本生命の賃上げが全層型と重点層型を組み合わせた構造となっている点だ。全層の月例給与5000円引き上げだけではなく、実務層への追加的な処遇改善を実施することで若手・中堅層の底上げを図っている。これは、1990年代後半以降 の年功序列型から成果主義型への移行で生じた若手層の処遇改善とも捉えられる。
グループ会社の対応も興味深い。大樹生命保険では営業職員と内務職員で異なる賃上げ率を設定し、ニッセイアセットマネジメントでは物価高対策として一律給付を選択している。これは各社の事業特性や人材戦略の違いを反映したものと言えるだろう。
日本生命の初任給引き上げはインフレへの対応という側面だけではなく、人材戦略の新たな転換点となる可能性も秘めている。
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