かんぽ生命・肥後銀など、インパクト志向金融の座談会

2024.03.06 19:04
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取り組みを話す(左から)春名氏、岩立氏、杉原氏(3月6日、アセットマネジメントOne)

かんぽ生命保険、肥後銀行、アセットマネジメントOneは3月6日、インパクトファイナンスへの取り組みに関する座談会を東京都内で開催した。2021年11月に21機関が署名して発足した「インパクト志向金融宣言」の活動の一環。23年11月の第1回に続き、今回で2回目。資産運用などを担当する役員が登壇し、これまでの同宣言の活動に対する評価や、自社のインパクトファイナンスの取り組みについて語った。


出席者は、かんぽ生命の春名貴之常務執行役、肥後銀の岩立康也取締役常務執行役員(肥後銀企業年金基金理事長)、アセットマネジメントOneの杉原規之社長。


春名氏は、かんぽ生命独自の社内認証制度である「インパクトKプロジェクト」を紹介した。インパクト投資の課題として、「インパクトと企業価値との相関性」についての研究・分析が必要不可欠だと指摘。アセットオーナーが連携して「この研究をシンクタンク・大学に促すよう働きかけることが重要だ」と述べた。


岩立氏は、肥後銀企業年金基金が受益者である従業員に対して行ったアンケート結果を挙げ、従業員の8割以上が基金の「PRI(責任投資原則)署名」と「ESG(環境、社会、企業統治)の運用」に賛同していることを明かした。また、「スタートアップハブくまもと」で地域の起業家を支援する取り組みを通じて、「開業資金がなくても挑戦できる日本で唯一の場所を目指している」と話した。


杉原氏は、日本企業に幅広く投資してカーボン排出量を低減させるオールジャパン・カーボンニュートラル戦略に取り組んでいることを報告した。加えて、アセットマネジメントOneが確定給付企業年金などのアセットオーナーに対して行った調査結果を示し、「インパクト投資について『投資済み』との回答は3%、『検討中』と合算しても12%と低位だ。投資目的や投資手法に関する理解をより促していきたい」とした。

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