日経平均終値、34年ぶり史上最高値を更新 初の3万9000円台
2024.02.22 15:53
22日の東京株式市場で日経平均株価は大幅反発。1989年12月29日の大納会で付けた終値での史上最高値(3万8915円87銭)を約34年ぶりに更新し、前日比836円52銭高の3万9098円68銭で取引を終えた。89年12月29日に付けた取引時間中の史上最高値(3万8957円44銭)も更新したうえ、初めて3万9000円台に乗せた。
東証株価指数(TOPIX)は、33.41ポイント高の2660.71で終えた。前日にニューヨーク市場が3営業日ぶりに反発。東京市場もその流れを受けて買いが優勢となった。21日に米半導体大手エヌビディアが発表した好決算が材料視され、半導体関連株が牽引(けんいん)した。企業の好業績などを受け内外投資家の資金が市場に流入しており、史上初の4万円台も視野に入りそうだ。
最高値更新について、SMBC日興証券の近藤雄一郎社長は「今後のマクロ環境の変化を踏まえると一段の業績拡大が見込めるといった期待から株高につながっている」と分析。マネックスグループの松本大会長は「日本企業の不断の努力によって収益力が上がったことが大きな理由。われわれ証券会社も個人投資家の投資環境を劇的に良くし、日本の株価復活に貢献していると自負している」とした。
日本証券業協会の森田敏夫会長は34年ぶりの最高値更新を「デフレからの終焉」と捉える。足元ではモノやサービス価格の適正化と賃上げのサイクルが生まれ始め、「貯蓄から投資へ」の流れも加速している。「この両輪が働くことで日本が大きく変わる象徴となるのではないか」とみる。
市場関係者の多くは89年と堅調な企業業績に裏付けられた現在の日本株式市場を比べ「当時とは全く状況が違う」と口にする。87年に野村総合研究所に入社したインベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは「企業に対する評価が実態を伴わない形で株価の上昇がみられた。まさにバブルといえる環境だった」と振り返る。

今後の相場見通しについても、証券界から強気の声が上がる。みずほ証券の浜本吉郎社長は「『新NISA(少額投資非課税制度)などによる個人マネーの流入』『日本株の割安感』を背景に、グローバルで日本株への注目は続くと思う」と指摘。野村ホールディングスの奥田健太郎グループCEОは「ここからは体験してないところに入る。非常に楽しみで期待に満ちている」との思いを語った。また、大和証券グループ本社の中田誠司社長は「失われた30年の象徴的な数字を超えた。年末に向けて4万3000円に上昇する可能性がある」とコメントした。
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