金融庁、損保ジャパンに改善命令 ビッグモーター問題で
2024.01.25 19:33
金融庁は1月25日、保険金の不正請求が横行していたビッグモーター(BM)に対して不適切な対応を採り続けたとして、損害保険ジャパンと親会社のSOMPOホールディングス(HD)に対して業務改善命令を出した。経営責任の明確化や、代理店管理態勢の強化を求める。
BMに多くの出向者を派遣していた事実や、保険金請求に対する損害調査がずさんだった点を問題視した。BMで保険金の不正請求が明らかになった後、問題が解決していない時点で自動車修理が必要になった顧客をBMに誘導する「入庫紹介」を再開した経緯も指摘した。
親会社も含めて処分を受ける大きな要因になったのが、入庫紹介の再開。同庁は、思うように業績をあげられない損保ジャパンの白川儀一社長がHDから「強いプレッシャーを感じていた」と指摘。損保ジャパンがHDに入庫再開を報告する際には問題の矮小化や自主調査結果を改ざんした事実を隠すなどの行為が見られ、親子間のガバナンスが機能していないと判断した。
損保ジャパンについては、顧客利益よりも営業成績や利益に価値を置く企業文化が「歴代社長を含む経営陣の下で醸成されてきた」と断定した。少なくとも、西澤敬二・現会長や櫻田謙悟・現HDCEOはこうした文化が醸成される期間に経営を率いていたと認識している。同庁関係者は「経営を一から丸ごと建て直せと言っている」と話した。
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