マーケット・トレンド(債券) 日本の10年債利回りは1%に届かず、低下傾向
2023.12.06 04:25
一時5.0%まで上昇した米国10年債利回りだったが、ついに4.25%を割り込んだ。
物価の伸びが徐々に鈍化し始めたことが金利ピークアウトのきっかけとなったのだが、FOMC(米連邦公開市場委員会)の多くのメンバーが利下げに言及し始めたことの影響が大きい。
インフレの沈静化が利下げの条件とはされているが、実際、雇用やインフレの伸びが鈍化しているだけに、利下げ期待が高まりやすいのも事実。
11月の米雇用統計の結果次第で4.0%を試すこともありそうだが、一方、米国10年債利回りの低下に併せて日本の10年債利回りも大きく低下した。
日本銀行が10年債利回りの上限について「1%を目途」と決定した後、その1%をつけることなく、0.6%台まで低下した。
結局、7月と10月の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)修正は、米国長期金利上昇に伴う期待インフレ(円安による輸入インフレへの思惑)上昇に備えたバッファー作りであったと振り返られ、つまり米国長期金利が下がれば日本の10年債利回りも下がりやすいと言える。
独自の政策修正期待も高まり難いなか、日本の10年債利回りは低位で推移しよう。
SMBC日興証券金融経済調査部 チーフ為替・外債ストラテジスト 野地 慎氏
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