マーケットトレンド(株式) テクニカル面の調整完了で年末ラリースタートか
2023.12.05 04:25
米国株式市場ではNYダウ平均に続きS&P500も年初来高値を更新した。一方、日経平均は先週末まで12営業日連続で3万3000円台でのもみ合いに終始している。上値が重い、と見るか、底堅いと見るか、二通りの解釈が可能だが、日本株のファンダメンタルズは悪くない。
中間決算一巡後の上場企業の業績は2桁増益に上方修正され3期連続の最高益が見込まれている。この好業績を反映して日経平均の予想PERは15倍弱である。現状の株価は業績面から見れば、極めて適正な水準にある。これが株価が下げない理由の最たるものだ。
一方で、テクニカル的には短期急騰の過熱感を冷ます必要がある。これが株価が上値を追えないでいる理由だ。11月の日経平均は月間で2628円(9%)上昇した。月間の上げ幅は3年ぶりの大きさになった。特に11月前半の上昇ピッチが速く、日経平均が3万3000円台に乗せた15日時点で25日移動平均との乖離(かいり)率は5%を越えた。
しかし、3万3000円台の滞留がすでに12日間に及び、同乖離率は2.5%まで縮小した。テクニカル面での過熱感は相当程度払拭(ふっしょく)されたと見てよいだろう。
このタイミングで今週末に今年最後のメジャーSQを迎える。ここで上に放れて米国株を追随し、年末ラリーに突入するか、下に放れて3万3000円の大台を割るか、非常に重要な局面である。基本観は上へ放れると見ているが、足元で起きている円高への揺り戻しが懸念材料である。
マネックス証券 チーフストラテジスト 広木 隆氏
関連記事
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 北陸銀と北海道銀、営業支援システム導入 年18万時間の作業削減
- 金融界、「隠れリース」特定に本腰 27年の新基準適用迫り
- 群馬銀、ストラクチャードファイナンス3年5.7倍 RORA向上に寄与
- 金融庁、決算書入手方法を調査 地域金融の実態把握へ
- 京都中央信金、理事長に植村専務が昇格 白波瀬氏は代表権ある会長へ
- 福井銀、野村証券と包括提携2年 預かり残高5000億円超
- 固定型住宅ローン、金利〝決め方〟見直し機運 参照指標「再検討」も
- メガバンク、上場廃止増えLBOローン好調 三菱UFJ銀は管理高度化
- 信金、店舗減少が小幅にとどまる 職員数推移との格差鮮明
- 地域銀・信金、NISA口座伸び悩む 3カ月の増加率1%