のと共栄信金、AIがATM映像を分析 スマホ利用検知し詐欺防止
2023.11.15 19:11
のと共栄信用金庫(石川県、鈴木正俊理事長)は11月15日、人工知能(AI)を使ってATMの防犯カメラ映像からスマートフォン利用を検知するシステムを導入した。利用者に音声で注意喚起することで、特殊詐欺の被害を防ぐ。金沢市内の鳴和(なるわ)支店で試行し、効果を検証する。
セキュリティー事業を手がけるダイワ通信(石川県)のAI監視ソリューション「IWA BOX」を使う。既存の防犯カメラに接続するだけで、新たに画像解析機能を搭載したカメラを購入する必要がないのが特徴。
AIがATMコーナーの防犯カメラに映った映像を解析。手の動きなどをもとにスマホで通話していると思われる行為を検知した場合、スピーカーから注意喚起のメッセージを流す。同時に店内の職員にも通知し、被害防止の実効性をより高める。
石川県内の1~10月の特殊詐欺の被害件数は95件、被害額は2億円で増加傾向にある。特にATMに誘導されてお金をだまし取られる還付金詐欺が目立つ。
鈴木理事長は「スマホを持ってATMコーナーに入る方をみつけて、話が済む前に止めるのが重要」と導入の狙いを話す。ダイワ通信によれば、既存カメラを使うことでコストを抑えられるため、「IWA BOX」への金融機関の関心は高いという。
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