マーケット・トレンド(為替) 米利上げ終了観測で円売りが加速
2023.11.15 04:25
10月31日から2日間にわたって行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、「株安・米金利上昇・ドル高」といった金融コンディションに言及。金融市場の引き締まりも経済の下押し要因になるとの見解に修正したため、市場は「FRB(米連邦準備制度理事会)による一連の利上げは終了」との確信を深めた。
10月の米雇用統計も雇用の減速を示唆する内容だったことから、5%台まで急伸した米長期金利(10年国債利回り)は一時4.5%割れまで急低下、それに伴いドルも下落に転じた。
だが、ドル円は149円を割り込むことなく151円台を回復(11/10執筆時点)。10月末に151円70銭台をつけた時は米長期金利が4.9%台、ドルも今より強かったことを踏まえると、円売り圧力がいかに強いかが確認できる。
足元ではFRBの利上げ終了観測を好感した株高を背景にリスク選好的な円安地合いが強まり、ユーロ円が161円台まで急伸するなど、円全面安の様相を呈しており、ドル円は上放れの可能性が一段と高まってきたと推測される。
昨年高値を超える152円台からはノックアウト絡みのオプショントリガー(その値がつくとドルを買う権利が消滅する価格)が散見され、思わぬ円売り加速には警戒したい。年内155円到達の可能性はその確度がより高まったと言えそうだ。
東海東京調査センター投資戦略部グローバルストラテジーグループ 金利・為替シニアストラテジスト 柴田 秀樹氏
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