マーケット・トレンド(株式) 強気サインが点灯した日本株
2023.11.07 04:25
10月の日本株は日経平均が1000円近く下落し今年最大の下げ幅を記録するなどさえない展開であったが、11月に月替わりした途端、相場環境が好転し、一気に反転上昇の動きとなっている。テクニカル的にも底入れの兆しが明確だ。
日経平均は3万500円近辺を二つの底とする「ダブルボトム」完成で大底は入ったものと思われる。3万2000円台前半に位置する75日移動平均は軽々と上抜け、5日と25日の移動平均がゴールデンクロスを達成。一目均衡表では株価が雲の上に抜け、転換線が基準線を上回るなど「最強の強気サイン」とされる「三役好転」となった。
日経新聞算出の日経平均の予想PERは、先週2日に株価が大幅高になったにもかかわらず14.8倍に低下した。予想EPSが急伸したからである。ここまで株価は急騰してきたが、バリュエーション面に割高感はなく、テクニカル面でもTOPIXの騰落レシオ(25日平均)はまだ85弱と過熱感はないので、さらに上値余地がありそうだ。
短期的には利益確定売りも増える水準だが、日本株は11月~12月にかけて強含む季節性があり、ここからは年末特有のラリーが期待される。米国の長期金利ピークアウトという大きなファンダメンタルズ面の好材料を追い風に、中長期的に強気で臨むところだと考える。
マネックス証券 チーフストラテジスト 広木 隆氏
関連記事
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 中堅の外資生保、乗合代理店からの要求に苦慮 変額保険手数料で
- 地域金融機関、半数の250機関が預金減 金利戻りパイ奪い合い
- 八十二銀、AIモデル開発50種に 投信販売モニタリングも
- 広島銀、金利再来でALM改革 各部門の収益責任 明確に
- 多摩信金、住宅ローン168億円増 業者紹介案件が4割強
- 金融庁・警察庁、URL貼付禁止案を軟化 銀行界から反発受け 不正アクセス防止で
- 横浜銀や静岡銀など20行庫、生成AIの実装拡大へ 検証結果・最善策を共有
- カムチャツカ半島付近でM8.7の地震 一部金融機関の店舗で臨時休業
- 金融庁、障害対応の強化要求 クラウド利用拡大で
- あおぞら銀の中野さん、金融IT検定で最高点 専門部門との対話円滑に