全銀システム復旧 振込の未処理分87万件も解消
2023.10.12 09:01
10月10日に発生した全銀システム(全国銀行データ通信システム)は12日朝、復旧した。運営する全国銀行資金ネットワーク(全銀ネット)は不具合が生じた内国為替制度運営費をチェックするシステムの応急的な改修を終え、オンライン処理できるようにした。10時50分時点で2日間の未処理分87万件も対応を完了させた。
全銀ネットは12日9時時点で稼働に問題が生じていないことを最終確認した。振り込みに遅れが生じていた三菱UFJ銀行やりそな銀行などは通常通り、振込ができるようになったと公表した。
不具合が生じたのは全国の金融機関とつなぐ「中継コンピューター(RC)」のソフトウェアで、銀行間の手数料である内国為替制度運営費を計算するプログラムに問題があった。11日夜に一時的に運営費の計算プログラムを簡素化する方法で改修し、暫定的にオンライン処理できるようにした。内国為替制度運営費は事後に精算する。
2日間に受け付けた振込件数(仕向け)は255万件。11日夕方時点で87万件が未処理になったが、12日10時50分までに解消させた。障害が発生した際は夜間や休日に稼働する「モアタイムシステム」などを活用し、早期に着金できるよう作業を急いでいた。
障害により他行宛て振り込みができなくなったのは、三菱UFJ 銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、山口銀行、北九州銀行、三菱UFJ信託銀行、日本カストディ銀行、もみじ銀行、商工組合中央金庫の10金融機関。全銀ネットは当初、JPモルガン・チェース銀行も加えていたが、影響がなかったことを確認したという。
関連記事
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 静岡銀、桃鉄金融ゲーム普及へ 地域課題と投資学ぶ
- 金融庁、接触頻度を調査 「ゼロゼロ融資のみ」の取引先対象に
- 3メガ銀、女性管理職3割近づく 三菱UFJ銀29.2%
- 地域銀・信金、内部の「再生人材」育成 外部研修で支援手法学ぶ
- みずほ信託銀、銀座に新たなランドマーク 地権者のビル開発支援
- 野村証券調布支店、課題解決起点で収入倍増 相続・不動産活用切り口に
- 金融庁、監督・検査体制を一体化 総括審議官がモニタリング指揮
- 野村AM、地域銀の退職者助言を支援 〝60代だけ〟新部署が始動
- 阿南信金、手束理事が新理事長に 30年ぶりのトップ交代
- 千葉銀・千葉興業銀、「経営統合を含め対話継続中」 一部報道でコメント