ニッセイ情報テクノロジー、エグゼクティブセミナー開催 生成AIテーマ
2023.10.11 18:53日本生命グループのニッセイ情報テクノロジーは10月11日、取引先の生損保や共済保険など金融機関を招いて「エグゼクティブセミナー2023」を開催した。12年から実施しているが、コロナ禍を挟んで4年ぶりのリアル開催とした。会場には役員・部長クラス約120人が集まった。
基調講演は国立情報学研究所社会共有知研究センター長で教授の新井紀子氏が、「AI(人工知能)の最新動向と未来社会」をテーマに語った。新井氏は「生成AIのエンジンは足し算と掛け算の無数の連続」と解説。その特徴はプロンプト(命令)に対して正しく対応することにあり、「意味を考えたり正しさを保証するものではない」と注意喚起した。
一方でAIは、「旅行で必要な程度の翻訳や簡単なプログラミング、単純な対話などの代替が可能」とした。バックオフィスの業務は、デジタル化とAIによってかなり代替されるなど技術活用の可能性を説明した。その上でAIが作り出すハルシネーション(幻覚)に対するファクトチェックの重要性を指摘。「生成AIが台頭する世の中だからこそ、人間に求められるのはさらに高い読解力と判断力」と結んだ。
続くセッションには日本マイクロソフトの西脇資哲エバンジェリスト・業務執行役員が登壇した。生成AIの登場によって仕事や生活のあり方が全面的に変わる社会を予測。コミュニケーションの手段はアバターがメインになると見通した。