BIPROGY、共同利用型バンキングアプリ 京都中央信金が3月稼働
2023.10.11 04:30
BIPROGY(ビプロジー)は2024年3月、バンキングアプリ「♯tsumuGO_mobile」(ツムゴウモバイル)の提供を開始する。第1弾として京都中央信用金庫が採用。アプリは共同利用型で、個別に構築するより検討から導入まで短期間に導入できる。今後は機能を拡充し、営業店といった対面チャネルとの融合を視野に入れる。
.png)
同社が構築ベンダーとして参画した、百五銀行のスマホバンキングアプリをベースにする。預金の残高照会やカードローンの明細確認機能などを備える。API(データ連携の接続仕様)を採用し、振込と口座開設などを処理する勘定系システムからアプリまでデータ連携を一気通貫で行える。
同社はアプリの提供開始後、ユーザー数の増加も支えたい考え。例えば、エンターテイメント事業を所管する部署のノウハウを生かし、リアルイベントを通じた若年層にアプローチできる仕組みなどを検討する。利用者の趣味や関心、ライフステージに応じた情報を活用したマーケティングも展開。お金にまつわる情報なども発信して新規取引の取り込みをサポートする。
25年度以降には、地域コミュニティーとの連携を目指す。アプリで用いるIDとパスワードをタクシーの配車サービスなど地元企業と共同で利用できるようにする。利用者の利便性向上と住みやすい街づくりに貢献。地域で流通する共通ポイントで利用すると、ロイヤル層へのマーケティングに生かせる。
「地域のお客さまと一緒に“紡ぎ”あげるアプリ」をコンセプトとしており、導入先金融機関から要望の多い機能を、半年に1回程度の頻度でオプションとして追加していく。24年度以降10機関程度の導入を見込んでおり、検討する金融機関には個人向けローンの繰り上げ返済や住宅ローンの完全非対面化など10~20種類の機能拡充の要望があるという。
金融界ではデジタルシフトが進む。ファイナンシャル第二事業部イノベーション推進部の大野浩部長は「デジタルに移行すると手続きだけになってしまい、これまで会話で得られていた情報が拾えなくなる」と話す。そのため、デジタルと対面のシステムを連携させ、同じサービスを提供できる環境整備に注力する。
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 中堅の外資生保、乗合代理店からの要求に苦慮 変額保険手数料で
- 地域金融機関、半数の250機関が預金減 金利戻りパイ奪い合い
- 八十二銀、AIモデル開発50種に 投信販売モニタリングも
- 広島銀、金利再来でALM改革 各部門の収益責任 明確に
- 多摩信金、住宅ローン168億円増 業者紹介案件が4割強
- 金融庁・警察庁、URL貼付禁止案を軟化 銀行界から反発受け 不正アクセス防止で
- 横浜銀や静岡銀など20行庫、生成AIの実装拡大へ 検証結果・最善策を共有
- カムチャツカ半島付近でM8.7の地震 一部金融機関の店舗で臨時休業
- 金融庁、障害対応の強化要求 クラウド利用拡大で
- あおぞら銀の中野さん、金融IT検定で最高点 専門部門との対話円滑に