【推薦図書】『CFO思考 日本企業最大の「欠落」とその処方箋』(徳成旨亮著)
2023.08.11 04:45
【推薦者】野村証券副社長・鳥海智絵氏
すべての企業人への叱咤激励
CFOたるもの、守り主体の「金庫番思考」ではなく「CFO思考」=「冷徹な計算と非合理的なまでの熱意(アニマル・スピリッツ)を併せ持ち、企業成長のエンジンとなる意思」をもって行動すべし。
著者の徳成氏はMUFGのCFOとしてモルガン・スタンレーへの90億ドルの出資、ニコンCFOとして史上最大の赤字計上からのV字回復など華やかな実績をお持ちである。「CFOはCEOの最大の批判者であり、最大の支援者であるべし」との言葉のとおり、CEOとの強いパートナーシップにおいて思考を実現されてきたことが、易しい筆致の中にも臨場感をもって伝わってくる。
読み手によっては、別世界のように感じるかもしれない。しかし「CFO思考」は、経理・財務といった日常の業務それぞれにおいても「企業価値向上に貢献する」熱い情熱をもって考え行動することも含んでいる。さらに、その思考や行動は本来「CFO」だけに求められるものではない。経営トップはもちろんのこと、すべての企業人が持つべきマインドセットであり、日本企業が安定と成長を両立させるために求められているものである。
立場や役職が違っても、読めば響くポイントが必ずある、と思わせてくれる一冊。
(ダイヤモンド社、税込み1980円)
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