いまさら聞けない時事用語 国際金融センター
2023.07.30 04:30
国境を越えるクロスボーダー取引が活発に行われる都市を「国際金融センター」という。代表格はニューヨークとロンドン。世界の都市間の競争力を示す「グローバル金融センターインデックス(GFCI)」の最新ランキング(3月発表)では、かつて両都市に次ぐ権勢を誇った東京が1年前の9位から21位に順位を落とした。
トップ10の顔ぶれは、1位ニューヨーク、2位ロンドン、3位シンガポール、4位香港、5位サンフランシスコ、6位ロサンゼルス、7位上海、8位シカゴ、9位ボストン、10位ソウル。米国は不動の首位であるニューヨーク以外にも、フィンテックに強い都市が順位を上げ、国別で最多の5都市がランクイン。成長著しいアジア圏からは4都市が10位圏内に入った。
東京はアジア圏で8番手に後退した。上位10位に入った4都市以外にも、深セン(12位)、北京(13位)、シドニー(15位)に後れを取った。東京都は国際競争力を取り戻すため、2017年に「国際金融都市・東京」構想を策定し、国もその実現に向けた取り組みを全面的にバックアップしているが、成果には結びついていない。
東京が抱える課題としては、高度金融人材の不足や行政手続きの煩雑さ、英語力の弱さ、税金の高さなどが指摘されている。さらに、近年はフィンテック企業の多寡が国際競争力を左右する傾向が強まっており、スタートアップの育成も急務となっている。